わこうキッズ えきまえこどもクリニックは、埼玉県和光市にある小児科専門クリニックです。

子供の病気Q&A(病気知識)

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5.おなかのかぜ(吐いたり下痢したり)

 

おなかのかぜ

 

Q1 マスコミでノロウイルス感染症が良く取り上げられます。
新型の恐ろしい病気のように報道しているので、とても心配です。

A1 
 
ノロウイルスは冬の感染性胃腸炎の代表的な原因ウイルスです。
毎年、年末に流行が見られます。
以前は小型球形ウイルスと呼ばれ、新型のウイルス感染症ではありません。
潜伏期間は1日から2日と短く、感染力は非常に強いため、集団生活や家庭でどんどん広がります。
 
症状は嘔吐、腹痛、下痢、発熱など。
典型例では嘔吐、発熱は1~2日、下痢は2~3日で、長びくケースは多くありません。
治療薬はありませんが、健常なお子さんでは軽症で終わることが多いようです。
お年寄りや小さなお子さんは、下痢、嘔吐による脱水で重症化することがあり、注意を要します。
水分をいかに上手に取るかがポイントになります。
感染パターンは2つあります。
カキ、ハマグリ、シジミの生や、不十分な加熱によりおこる食中毒。
感染患者の便や吐いたものに含まれるウイルスで広がるもの。
流行する時は後者がほとんどです。
便や吐物にウイルスが多量に含まれるため、手洗いが不十分だと二次感染で拡大します。
おむつの扱いは注意が必要です。

Q2 吐いたり下痢したりして、おなかのかぜと言われました。
鼻水も咳も出ていないのにかぜなのですか?

A2
 
一般にかぜとはウイルス性の感染症であることがほとんどです。
吐いたり下痢したりすると、おなかのかぜを疑います。
熱をともなうこともしばしばあります。
ロタウイルス(乳幼児白色便性下痢症)、ノロウイルスなどが、有名です。
抗生剤は効かないことがほとんどで、自然治癒を待ちます。

Q3 昼間は元気でしたが、夜になって何度か吐きもどしがありました。
夜間の救急病院を受診すべきですか?

A3
 
吐き気は、いやなものを上から出そうとする防御反応で、吐くと、逆におなかが楽になることもあります。
 
吐き気やおなかの痛みは、おなかがカラにしてほしい、休ませてほしいというサインです。
このような場合は、食事をストップし、おなかを休ませることです。
水分を少しずつ取らせ、翌日にかかりつけ医を受診します。
吐くものがないのに何度も吐いてつらそうな場合、ぐったりして脱水が急に進んだ場合、意識状態が良くない場合は、夜間の救急病院を受診します。

Q4  下痢したときの脱水が心配です。どのようにして防ぎますか?

A4
 
1日に10回ちかい多量の水様便が出て、尿が出ない、口の中がカラカラに乾く、うとうとして元気がないなどは、脱水が心配なタイプです。
1日4~5回の下痢で、すぐに脱水にはなりませんので、あわてずに。
 
脱水を防ぐためのポイントは水分の与え方で、1回に20~50ccと少量ずつ与え、回数を多くします。赤ちゃん用のイオン飲料がおすすめです。

Q5 今朝から下痢しています。病院を受診したほうが良いのはどのような場合ですか?

A5
 
脱水をおこしかけている場合、発熱、嘔吐、激しい腹痛、血便をともなう場合は、早めに受診します。
これらの症状がなく、機嫌がよく、水分が取れている場合は、少し様子を見ます。
判断がつかず心配な場合は、病院を受診して便を見せましょう。

Q6 下痢しているときは何を食べさせれば良いですか?

A6
 
下痢の治療の基本は、お薬よりも、おなかが回復してくるのを待つことです。
おなかに負担がかからないような食事を与えることが大切です。
消化の良いものを量を少なめにして与えます。
ミルクは半分くらいにうすめたほうが負担になりません。
おかゆはおすすめで、ミルクだけにするのは、逆効果です。

Q7 下痢のため病院を受診しましたが、下痢止めを出してもらえませんでした。なぜ?

A7
 
下痢は、いやなものを下から出すための防御反応です。
1日4~5回の下痢で、すぐに脱水にはなりませんので、あわてずに。
 
下痢のおなかを治すのは薬ではなく、本人の自然回復力です。
食事をデリケートに取り、おなかの回復をうながします。
消化の良いものを少量ずつで与えます。
下痢止めは、症状をやわらげますが、おなかのかぜは治りません。
いやなもの出すのを遅らせ、逆に病気の治りを悪くすることがあります。
下痢止めがあっても頼りすぎず、下痢が止まりかけたら中止して下さい。