わこうキッズ えきまえこどもクリニックは、埼玉県和光市にある小児科専門クリニックです。

赤ちゃん学級Q&A

HOME | 子どもの病気Q&A | 赤ちゃん学級 その17

赤ちゃん学級Q&A(和光市保健センター)

その17 平成22年1月13日編

Q1  髄膜炎のヒブワクチンはうった方がいいのか。

A1
 
ヒブワクチンは現在の日本には数が大変少ないことと、自費でかなり高価なため、すべての医療機関が扱っているとは限りません。
以下を参考にされて、医療機関にご相談下さい。
 
ヒブワクチンは髄膜炎を起こすインフルエンザ菌b型(Hib)の予防ワクチンで、日本では2008年末に販売開始されました。
Hibによる細菌性髄膜炎の患者数は、日本では年間約500人程度とされています。
数%が死亡し、約20%に発達障害、聴力障害、てんかんなどの重い後遺症を残します。
標準的な接種方法は
生後2ヶ月から7ヶ月までに、初回免疫として3回(4週から8週間隔で)、約1年後に1回追加接種します。
接種が遅れた場合は
7ヶ月以上1歳未満なら初回免疫2回、追加接種1回で、1歳から5歳未満の場合は1回接種でよいとされています。
Hibによる髄膜炎にかかりやすい年令は生後3ヶ月から1歳なので、早期の接種が重要です。
三種混合との同時接種は可能とされ、欧米では一般的ですが、健康被害が発生した場合、原因の特定が困難になります。
副作用に過敏な日本では、同時接種がすぐに受け入れられるかわかりません。
他のワクチンと同様に接種後のアレルギー反応を注意するのは基本です。
副反応のほとんどは接種部位の発赤、腫脹、硬結などの軽いものにとどまります。
インフルエンザ菌による感染症はポピュラーで、軽症で終わるケースが多いのですが、抗生剤に耐性の菌が増えています。
髄膜炎になる頻度は高いわけではありませんが、髄膜炎は重症な病気です。
接種したほうが良いに決まっていますが、現実にはまだ大きな問題があます。
現在のところワクチンの供給量が極端に少ないことと、ワクチンの値段が高いのに自費だということです。
3回から4回接種する必要があるため、全部で3万円くらいかかるようです。
また、1回ですむワクチンではありませんので、確実に打つ約束をする必要があります。
他のワクチンのように、自治体がやってくれると助かりますが、すぐに実現するかはわかりません。
現在、対応の仕方は各医療機関でバラバラですので、希望の方は問い合わせてみてください。
予約を取っているところでは、数ヶ月待ちの状況だそうです。

Q2 鼻づまりが気になります。
粘膜を傷つけないように鼻づまりを解消する方法は?
カゼのとき、鼻吸い器を使いました。
すごく嫌がって号泣だったのですが、どれくらいの勢いで吸っていいものでしょうか?
やりすぎると良くないのでしょうか。

A2
 
お鼻は粘膜を保護したり、ばい菌を流すために出てきます。
もともと必要で出てくるものですし、かぜでなくても出ることがあります。
赤ちゃんのお鼻の粘膜は敏感で、気温差があると粘膜の保護のためジュワとすることがあります。
止めてしまうより、出てくるものをうまく取ってあげるほうが大切です。
 
ふいてあげたり、市販の鼻吸い器を使いますが、お母さんがお口で鼻水をチュと吸ってあげるのも良い方法です。
あまり強く吸うと、陰圧がかかりすぎて耳を悪くします。
鼻の出口付近に、たまった物だけ取り除くようなイメージで吸ってあげてください。
奥の方まで吸おうとすると無理がありますし、いやがります。
一回で済まそうとせず、時間をあけて、出口付近のお鼻をこまめに吸って、回数で攻めてください。
ドロドロした黄色や、緑色の汚い鼻水が出ているときも、鼻をかんで汚いものを出すことが基本です。
汚い鼻水は細菌が繁殖しているので、うまくかめずに長びくようでしたら、受診を考えます。
鼻づまりは加湿をかけると改善することがあります。
元気なら、お風呂に入ると鼻が通ってきます。

Q3 離乳食を始めた時くらいから、食後、少し吐くようになりました。
赤ちゃんの胃のサイズと満腹感はちがう?

A3
 
お口のほしがる量と、おなかがいっぱいになる量が異なって、食べ過ぎることはあると思います。
早や食いすると、満腹中枢が働くまで、ついつい多く食べてしまいそうです。
吐く量が少なく、体重増加が良好な場合は、心配いらないと思います。
 
赤ちゃんの中には、食道と胃の接合部分のしまりが悪く、逆さまに持ち上げると、胃の中のものが出てしまう子が結構います。
年齢とともにこのしまりは良くなり、吐きにくくなってゆきます。
たくさん吐いて体重増加が悪いケースでは、診断、治療が必要です。

Q4    3種混合をうった後から、うでにしこりができて3週間くらいたつのですが、まだ消えないんです。

A4
 
3種混合ワクチンには、よく免疫がつくようにと、まぜ物がしてあります。
そのため、赤く腫れたり、しこりを作ったりしやすいワクチンです。
 
腫れは2日から3日で最大となり、1週間くらいで消えてゆきます。
腕の太さが変わってしまう場合もあり、この場合は受診を考えます。
しこりは1週間くらいから目立つようになり、1ヶ月くらいまで残ることがありますが、やがて自然に吸収されます。
運動障害などがなければ、様子をみてよいでしょう。
ご心配の場合は接種を受けた医療機関を受診してください。

Q5 3ヵ月頃から乾いた咳をよくするんですが、何故でしょうか?

A5
 
自分のよだれでむせたり、乾燥が原因のこともあります。
喘息の軽いタイプで夜間のみ咳が出る場合があります。
長びいて深い咳をする場合は、かぜや気管支炎なども考えます。
大人から、百日咳や結核をうつされている場合もあります。
程度が強い場合、繰り返す場合、長びく場合、悪化している場合は、診断が大切で、かかりつけ医に相談します。

Q6 よく、おチンチンをかくのですが、なにか病気になったりしているのか気になります。
見ためは別に赤くなったりしてません。

A6
 
おチンチンをいじるのが好きな赤ちゃんは多いようです。
よいオモチャだと思っているようです。
興味の対象が変われば、自然にいじらなくなると思われます。
かゆくて引っかき傷を作る場合は治療対象になります。

Q7 子供の体調不良時の受診の目安が知りたいのです。
受診するか否かの判断基準。

A7
 
赤ちゃんは言葉で伝えてくれませんので、見た目で具合を判断しなければなりません。
難しいのですが、赤ちゃんを普段から良く観察している人は判断が上手です。
食欲があって、元気そうで、重い症状がなければ、緊急性はなく、様子がみれるでしょう。
時間の経過と共に悪化する場合は注意します。
 
子供の病気に関しては、誰もが初心者になります。
重症の見逃しを避けるため、心配なときには、まず、かかりつけ医に相談してください。
2~3才くらいまでは、お母さんにとっても勉強です。
何度か経験して、上手な判断と、上手な受診ができるようになれば、それでよいと思います。
鼻水:黄色や緑色のドロドロとした鼻が続く場合は治療対象になります。
   水っぱなが出るだけで元気な場合は、薬よりかむことの方が大切です。
咳 :原因がはっきりわからずに、1週間2週間と長びく咳、日がたって悪化する咳、夜眠れない咳、ゼーゼーを伴う
咳は受診が必要。
嘔吐:何度も吐いて止まらない場合は早めに受診します。
    吐いた後すっきりして元気なら緊急性はありません。
下痢:大量の水様便が何度も出て、口の中がカラカラで、元気がない場合は早めに受診します。
    水分や食事が取れ、元気がよい場合は、緊急性はありません。
熱 :熱が出て早めの受診が必要なパターンは、よく吐く、水分が取れていない、意識の状態が悪く、トロトロして寝てばかりいる。
    熱が高いだけ、という場合は緊急性はありません。

Q8 便秘はどれくらい出ないと気にした方がよいか。

A8
 
赤ちゃんの便の回数は個人差があります。
一般に母乳の子はゆるくて回数が多く、1日に何度も便が出ます。
ミルクの子は便は硬めで、2~3日に1回という子もいます。
自力で排便できる場合は、あまり気にしません。
柔らかい便で、3日4日すると自力で排便できるケースは便秘扱いしません。
7日くらいまではためる事ができるようです。
 
便が硬すぎて出にくくなる場合や、便がたまって不機嫌になったり、食欲が落ちる場合は、治療の対象となります。
便が堅くて自力で出しにくい場合、肛門が切れて出血するような場合は、積極的に対応します。
基本は大人と同じで、十分な水分、野菜、果物を取る習慣は基本です。
野菜、根菜をくたくたに煮て、さらにすりつぶしたスープや、果汁の濃いタイプの飲み物を、毎日の習慣に取り入れるのはお勧めです。
それでも便の硬い子はいますので、かかりつけに相談します。
便を柔らかくする薬や、下剤、浣腸など、程度に応じて指導があります。

Q9  離乳食が、いつも同じになってしまいます。
栄養のバランスをもっと考えた方がいいのでしょうか?

A9
 
6ヶ月、7ヶ月くらいまでは、離乳食といっても母乳やミルク以外の物をとる練習の期間です。
母乳やミルクを十分飲めていて、体重増加が他の赤ちゃんと同じであれば、あまり栄養を心配する必要はありません

月齢が進めば、離乳食のバリエーションも増えてくるでしょう。

Q10 うんちが1日6回~8回出ます。
整腸剤を飲んでも治りません。
大丈夫でしょうか?

A10
 
おなかのかぜなどでゲリが始まると、はじめのうちはばい菌やいやなものを排出するために下痢をします。
元気で、脱水傾向がなければ、あわてません。
下痢のお腹は薬で治すものではなく、自力で回復するのを時間待ちするものです。
整腸剤は下痢止めではなく、お腹の細菌環境を整えるための物です。
 
病気は治ってきたのに、赤ちゃんはその後もしばしば下痢が長びき、回復に2~3週間かかることがあります。
赤ちゃんは下痢が始まると、ミルクや母乳を消化する酵素がおなかから出にくくなります。
そのためミルクや母乳でも消化不良となって、下痢が続くのです。
消化酵素が十分に出て、おなかが復活するのに2~3週間かかることが良くあります。
元気なら心配せず時間待ちですが、長びく場合には、診断や指導のためにかかりつけ医を受診しておくほうがおすすめです。

Q11 下痢の症状がよくわかりません。
うんちが5日に1回しか出ないのですが、離乳食を始めてから(まだ1さじ程度ですが)、少し水っぽいうんちやうん
ちのカスが出ます。
このまま離乳食を進めても大丈夫でしょうか?

A11
 
いつもと比べ、1日の便の回数が倍以上に増えたり、いつもよりゆるく水様になったときに下痢と考えます。
赤ちゃんは、ひとたび下痢が始まると長びくことがしばしばです。
下痢のほかに症状が無く、水分が取れ、元気な場合、あまり心配はありません。
病的な場合には、食欲が落ちたり、不機嫌だったり、元気が無かったり、発熱、嘔吐など、何か他のサインを伴います。
 
赤ちゃんは食事の内容が変わると、ウンチの様子が変わることがよくあります。
個々でお腹の発達のスピードが異なるので、離乳食が早く進むのが偉いわけではありません。
早いのは無理をさせている場合があるので、少しおそめに進めた方が、負担にならないと思われます。
みんなの後を追うように進めて行けば十分ですので、あせらずに。

Q12 食べた物によって、すっぱいにおいのうんちをすることがあります。
その食べ物は、食べさせない方が良いですか?
便のニオイはどのくらい気にした方が良いですか。

A12
 
すっぱい臭いがする下痢の場合は、ウイルス感染による下痢。
卵が腐ったような臭いがする場合は、細菌感染による下痢といわれています。
これらは医師の判断することです。
下痢はなく、元気で食欲がある場合、また、臭いが一時的である場合は、神経質になる必要はありません。

Q13 おなかに赤いもの(ブツブツではない)ができるのですが、病気ですか。

A13
 
実際に見せていただいたところ、血管腫のようでした。
入浴後に血行が良くなり目立つようになります。
見た目だけの問題なので、急いで受診する必要はないものと思われました。
皮膚科が専門ですので、気になる場合は受診して、意見を聞いてみるのもよいでしょう。

2011/1/13
子供の病気Q&A

北子育て世代包括支援センター赤ちゃん学級