赤ちゃん学級Q&A(和光市保健センター)
その7 平成19年8月1日編
Q1 熱が少しあるような時は、ひたい、頭の後ろ等、アイスノンでひやしてよいのですか?体は、かるくふとんをかけるのでよいですか?
A1
本人が気持ちよさそうであれば、冷やしてあげてください。
かぜの時、熱は必要で出ますので、元気がよければ基本的には下げる必要はありません。
本人がいやがる場合は、無理に冷やす必要はありません。
ただし、熱でつらそうにしている場合は、脇の下、ソケイ部を冷却シートで冷やしてあげると効果的です。
熱が出ている時にあたためるか、冷やすか?
熱の上がりはじめに悪寒、寒気がある場合は、一時的にあたためてあげます。
熱が上がりきって、赤い顔して、ふーふーしている時は、あたためると熱がこもり体力を消耗してしまうので、あたたかくするより、涼しいい格好にしてあげます。
Q2 はしかが心配
予防接種、自費で早く受けたほうが良いか
A2
はしかは重症な感染症で、発症すると有効な治療薬がないため、ワクチン接種で予防することはとても大切です。
あまり早い月齢で接種すると、出生時、お母さんからもらって残っていた免疫で、ワクチンが失敗に終わることがあります。
お母さんが昔はしかにかかったことがあり、強い免疫を持っている場合と、ワクチン接種だけで免疫が弱くなっている場合で、赤ちゃんの持つ免疫がどれくらい残っているか、異なる可能性があります。
9~10ヶ月ころになると、赤ちゃんはお母さんからもらった免疫がなくなってくるころなので、接種する価値が出てきます。
保育所に預けるお子さんなどは、はしかの流行状況によってはワクチン接種はおすすめです。
お家にいることが多いお子さんは、感染のリスクは低く、1才まで待つのが普通かと思われます。
自費になりますし、ワクチンは結構高価ですので、個々でよく状況を考えて判断してください。
もし1歳未満で接種を行った場合、1才半くらいで2回目の接種をしておくことをおすすめします。
1回目に免疫の獲得に失敗する可能性があるからです。
この場合は小学校就学前に3回目をうつことになります。
Q3 日本脳炎の注射はどうしたら良いですか?
A3
日本脳炎のワクチンは、とてもまれな副反応である急性散在性脳脊髄炎との因果関係が疑われてから、希望者のみの接種となっています。
この副反応を克服したタイプのワクチンはまだ使えない状況です。
残っている以前のワクチンは数が少ないため、なかなか手に入らないのが現状です。
日本脳炎は人から人へうつる病気ではありません。
ウイルスを保有するブタを刺したカにヒトが刺されることで感染します。
刺されても発症しないケースの方が多いのですが、九州や西日本ではブタのウイルス保有率が高く、北海道や東日本に比べ危険地帯と考えられています。
東南アジアへ行く場合は、ワクチン接種はとても重要です。
一般的には3才からの接種になっており、リスクのある人は接種しますが、今日ここにいる1才以下のお子さんたちは、まだ状況を見守ることになります。
Q4 おしゃぶりは、出っ歯になると聞いたのですが、しないほうがいいのでしょうか?
A4
極端なケースでは、歯並びに影響が出る場合がありますが、おしゃぶりや指しゃぶりなどは、しない子はめずらしく、それでも全員が出っ歯になっているわけではありませんよね。
しゃぶる動作は精神の安定のためにも必要なこともあり、無理にやめさせるかは疑問です。
成長に伴い興味の対象が他に移っていくようになると、自然に卒業してゆくようです。
あまりに極端で、歯並びへの影響が心配されるケースでは、歯科医師に相談します。
Q5 下2本と上1本歯がはえてきました。
最近はぎしりをしているようなので少し心配です。
あせもができたときにはぬれタオルなどで汗をぬぐうようにしていますが、他に何か対処したほうがいいでしょうか?
A5
歯ぎしりをする子はめずらしくありません。
ストレスのためかはわかりませんが、している子は時々見かけます。
年令が進むと、しなくなるケースも多いようで、歯がすり壊れるくらいの極端なケースを除いては、様子を見ることになります。
汗が残るとその刺激や、ばい菌の繁殖により湿疹はできます。
清潔が第一となりますが、夏場はしぼったガーゼなどでこまめに拭いてあげます。
お肉とお肉のしわの間は特に十分に。
冷房も冷やしすぎに注意して、上手に使います。
パウダーはあせもの予防には良いかもしれませんが、程度が強い場合、汁などが出る場合には、病院を受診し、軟膏等の処方や指導を受けてください。
Q6 私(母)がアトピーです。
離乳食で何か気をつけること、また、私の食事で気をつけることはありますか。
よろしくお願いします。
A6
親にアレルギー疾患があると、子供にアレルギー体質が遺伝することは多く、(アトピー性皮膚炎、じんましん、喘息、アレルギー性鼻炎・結膜炎、花粉症など)
お子さんがアトピーの素質を持っていても不思議ではありません。
アトピー性皮膚炎と離乳食は関係があり、離乳食をいそぐと発症リスクが増えます。
離乳食は開始時期をいそがず、ゆっくりとレベルアップします。
赤ちゃんは早くできることが偉いわけではありません。
早くできることを期待すると無理をさせていることが多いので、注意してください。
特にアレルギー家系のお子さん、アトピー性皮膚炎が疑われているお子さんは、卵は8ヶ月頃までできるだけ避け、1才くらいまでは生卵や、たくさん食べることを避けます。
卵黄に比べ卵白は要注意です。
卵黄に火を通し、少しずつ摂取量を増やします。
母乳の場合、お母さんも同様に生卵や多量摂取を避けることは効果的とされていますが、診断が付いていない場合は、極端な制限は、お母さんの栄養に悪影響ですからご注意下さい。
Q7 下痢が10日以上続いています。1日7回くらいあります。
A7
下痢の原因は、食べた物やおなかのかぜ(感染性胃腸炎)などが主なものです。
初めの5日くらいはいやなものを出すために必要で下痢をします。
それ以降は、一度調子の悪くなったおなかは復活に時間がかかり、下痢が長びくのが赤ちゃんの特徴です。
下痢になると、ミルクや母乳を消化する酵素の出が悪くなり、そのため、ミルクや母乳は消化不良になるからです。
これを乳糖不耐症と言いますが、回復に2~3週間かかることもあります。
脱水の兆候がなく、水分が取れ、元気なら、こわくないタイプの下痢です。
気長に回復を待ちます。
調子の落ちたおなかは、薬で治すのではなく、与えるものを注意し、おなかに負担がかからぬようにして、回復を待つのが基本です。
離乳食は少し前の月齢のもの、おかゆはおすすめ、ミルクはうすめ、量は少なめで、回数でかせぐほうが良いでしょう。
長びく場合にはかかりつけを受診して、評価や指導を受けてください。
Q8 げりの時の水分の与え方(脱水症)
離乳食のリスタートの仕方(今、おっぱいだけ)
外出してもいい?
A8
脱水は水分を受けつけない、何度も吐く、熱がある、水様の便が多量に出る場合におこりやすく、おしっこが出ない、よだれが出なくなり口の中がカラカラしている、ぐったりして元気がないなどは脱水のサインです。
脱水を起こしているときは受診、点滴が必要になります。
脱水予防のためには、あかちゃん用のイオン飲料を少量(20~50ml)、頻回(30分~1時間おき)こまめにあげることがポイントです。
下痢の時、おかゆはおなかにあまり負担をかけませんので、やめる必要はありません。
離乳食は少し前の月齢のものとし、量は少なめ、おなかに負担がかからないようにします。
どの病気も、なおりかけは体力が予想外に消耗することがあり、次の病気にかかったりなどトラブルのもとになります。
無理はせず、気分転換程度とします。
Q9 頭の形がいびつ。
1日にうんちが5、6回出ていても、便がゆるいのか、下痢かどうかわからない。
夜、寝ていると、せきで起きてしまう。(たんがからんでいるような感じ)
普通に寝かせていいのか。
A9
頭の形は脳みその成長により骨が押されてできあがってゆきます。
寝ていることが多く、首をあまり動かさないと、圧力が逃げる方向に頭の形が変化し、扁平になったりします。
おきていることが多く、首がすわってからは、頭は均等に大きくなり、いびつな形は徐々に目立たなくなります。
いつもに比べて便の回数が多く、ゆるい場合は下痢と考えます。
元気で食欲があって、いつもと同じウンチの回数とゆるさなら問題ありません。
強い咳、悪化してくる咳、長びく咳は診断や、治療が必要となります。
Q10 カンチョーしないとウンチがでません。
苦しそうなので毎日のようにカンチョーで出しますが、クセになってしまいますか?
A10
かんちょーの前段階の努力が大切です。
夏場は体内の水分が汗で出て、ウンチはついつい硬めになってしまいがちです。
こまめに水分を取ることが、より大切な季節です。
濃いめの果汁、野菜ジュースなどは、便をやわらかくする効果があり、積極的にとるとよいでしょう。
毎日するカンチョーが綿棒かんちょーなのか、市販のイチジクカンチョーのようなものかで異なりますが、排便に苦労する場合は、小児科等を受診して、指導を受けてみてください。
便をやわらかくする薬もありますので、ご相談ください。
Q11 離乳食をはじめたけど、うんちがかたくなりません。
痛みに強いのか、頭を打っても、注射をしても泣かないのですが、おなかが痛い時とかは、泣いてくれるか心配です。
A11
一般的には、母乳の子は便がゆるく、ミルクの子は便が硬めで、離乳食を始めると便が硬くなる子が多いです。
しかし、ウンチの硬さは個人差が大きいので、いつもと比べて明らかな下痢でなければ、問題ないと思われます。
がまん強い子なのかもしれませんが、本当に痛い時、つらい時はがまんしませんので、ご心配なく。
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