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赤ちゃん学級Q&A

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赤ちゃん学級Q&A(和光市保健センター)

その9 平成20年1月16日編

Q1 頭を打ったときは、どの症状が出れば、病院へ連れて行ったほうが良いですか。

A1
 
打った直後に意識の状態が悪ければ救急へ。
高いところから硬いところに落ちたときもCTが取れる病院の受診がおすすめです。
打った直後が大丈夫でも、頭蓋内で細い静脈が切れ、ジワジワ出血し、2日から7日して症状が出てくるケースもあるので注意します。
意識状態が悪くなり、うつらうつらして寝てばかり、よく吐くようになる、運動障害が出て、できていたことができなくなる。
疑わしい症状がある場合は、CTの取れる病院を受診します。
 
打ち所について。
3階から転落しても無事な赤ちゃんがいるかと思えば、診察台から落ちても頭の骨を骨折しているケースもあり、まったく打ち所に左右されます。
打つ回数。
多ければ多いほどトラブルが起きるリスクが上がりますから、少ないほうが良いに決まっています。
打ち方。
硬いところに落ちる、角のあるものにぶつかる、勢い良く打つなどは危険なパターンです。
特に歩き始めの時期は、赤ちゃんの目線で家の中を見直し、危険な打ち方を避けていくことを意識します。
ひっくり返って転んで頭を打っても、危険性の少ない柔らかい床材。
家具の角を保護する等、ぶつかっても危険の少ない環境。
また、家の外では想定外の危険が多いことを意識して、目をはなさない。
赤ちゃんは高いところに寝かせば、必ず転がって落ちるのです。
とがった角があれば、必ずぶつかりに行きます。
意識をするか否かでだいぶ事故は防げます。

Q2 免疫はどの病気(かぜ、インフルエンザetc)もかからないと出来ない物ですか? 発症しなくても菌に触れると出きるものですか?

A2
 
基本的には病気にかかって免疫は蓄積されてゆきます。
赤ちゃんは、出産前にお母さんから胎盤を通じて免疫物質をもらいます。
また、初乳中にも免疫物質が含まれ、ばい菌の入り口である鼻腔内口腔内の免疫を高めます。
赤ちゃんはカゼを引きにくいと言われるのはこのためです。
 
生後6ヶ月を過ぎると、お母さんからの免疫物質はだんだんなくなってしまいます。
一方、赤ちゃんの免疫能力が発達を始めるのは1歳過ぎからです。
9ヶ月から1歳半くらいまでは、一生でも免疫力の谷間となる時期です。
初めて接するカゼはかかりやすく、重症化しやすい時期です。
本当は、不用意な外出や、集団に入っていくことを避けるのがおすすめな年令です。
何度かカゼを引いて、いろいろな免疫をつけ、丈夫な大人になり、強い子孫を残してゆくことも大切です。
病気が重症でなければあまり神経質にならなくても良いかと思われます。
カゼの中には不顕性感染といって、うつっても症状が出ないケースもあります。
この場合も免疫はついたことになります。

Q3  ①男の子は高熱を出すと大人になって赤ちゃんが作れなくなるというのは本当ですか?
②帰省等で、どうしても人混みに出なくてはならない時、はしか、インフルエンザの予防はありますか?

A3
 
①おたふくかぜでこう丸炎を起こすことがありますが、片方だけのことが多いとされ、将来問題を起こすケースはまれとされています。
 
②マスクや加湿、帰宅後の手洗い、うがいなどが予防の基本ですが、赤ちゃんには無理なことばかりです。
電車、新幹線、飛行機、集団のお部屋など、閉ざされた空間に長時間一緒にいることで、感染のリスクが上がります。
避けて通ることが賢明なのですが、ポイントもあります。
流行のシーズンをよく察知する。(インフルエンザなら毎年1月から2月、はしかは基本的に4月から6月)
用事の必要性と感染のリスクを十分はかりにかけて判断する。
必要以上に長居しないことを意識する。

Q4 ①この時期に(予防接種前)どうしても電車などで混雑している所へ行かなくてはならない時、どのようなことに注意したらよいですか。
②腸重積にかかる前は、便はでていますか?
③病院に行くほどではない発熱の時、どこを冷やしてあげたら良いですか。

A4
 
①は上述
 
②初期は普通便の事もあり、時間がたって血便に変わります。
浣腸をかけて確認が必要になります。
発症前の便の情報だけでは診断はできません。
 
③首筋、脇の下、ソケイ部(足のつけね)は太い動脈が浅いところを走っており、脈を触れます。
ここを冷やしてあげると効率がよくなります。
おでこは本人が好む場合はかまいませんが、熱は下がりません。
熱は必要で出ますから、つらそうな場合に冷やしてあげてください。

Q5 赤ちゃんが病気になった時のお風呂の入れ方
カゼのとき、ただでさえ体力を消耗しているのに、お風呂に入れると良くなさそうなのですが、入れないのも体に悪そうで・・・・。
ウイルス性の病気にかかった時、お風呂で感染してしまうのではないでしょうか?下痢の時は脱水が心配です。

A5
 
入浴できなくても大問題は起こりませんが、無理に入浴して病気を重くすることはあります。
入浴は体力を消耗します。
元気なときにはこんなことは気にしませんが、体力に余裕のない病気の時の入浴はダメージを与えることになります。
特に病初期からピークにかけては、体力に余裕がないので、無理に入れません。
回復期になり、37.5℃以下で、元気が出てきたら、咳鼻があっても入る余裕が生まれてきます。
まだ治りきったわけではありませんから、清潔を目的に短時間ですませます。
遊んで長風呂はまだいけません。
 
家庭内の感染は、お風呂にだけ気をつけても、避けるのはなかなかむずかしいと思います。
しいて言えば、最後に入れるとか、シャワーで済ますとかで十分です。
下痢の時の入浴は、元気がないと、体力消耗という意味では不適切になります。
元気があれば、入浴による脱水はあまり気にしません。
お風呂上りに水分を補給してあげてください。

Q6 母乳をあげている最中に痛がるように泣きながら飲んでいるときがあります。消化不良をおこしていたので、お腹がグルグル回っている感覚がいやがって泣くんですか?何か病気とかですか?

A6
 
一時的なものであれば気にしません。
おなかのかぜなどで、吐気、嘔吐、下痢などがあるときは、おなかの機能が落ちています。
食事やミルク、母乳を与えると、おなかに負担がかかり、腹痛⇒不機嫌となることはよくあります。
毎回不機嫌、食欲がなくなる、嘔吐、下痢などが現れないか注意して様子を見ます。
食事の量や哺乳量をセーブしておなかを休めることが大切です。

Q7 頭皮に黄色いかさぶたみたいなものがたくさんできているのですが、どうしたらよいですか?

A7
 
脂漏性湿疹かと思われます。
赤ちゃんにはポピュラーな湿疹で、心配な病気ではありません。
赤ちゃんは新陳代謝が活発で、頭皮に脂分がたまりやすいだけです。
入浴前にベビーオイルやオリーブオイルを塗り、しんなりしたところでこすり落とします。
入浴して頭を洗い、入浴後に湿疹の軟膏を塗っておきます。
あまり強くこすると、皮がむけて傷になりますので、無理しないで下さい。
湿疹の程度にもよりますが、3日から7日かけて少しずつ取ります。

Q8  入浴時、耳栓などはしていませんが、耳に水が入らないよう何か工夫した方がいいでしょうか。水が入って中耳炎や炎症になる可能性などありますか。

A8
 
耳栓は不要です。
入浴後に綿棒でできる範囲だけ、お掃除してあげれば十分です。
中耳炎はかぜなどの際に、のどや鼻の奥で繁殖したばい菌が、耳管という管を伝って鼓膜の内側に入っておこすものです。
すなわち、外からではなく内側から起こる病気です。
外耳道炎は、耳の穴の入り口から鼓膜までの皮膚に湿疹が悪化してできます。
入浴後のお掃除など、清潔が大切です。
綿棒に色が付いたり、においが強い場合は治療します。

Q9 冬でも家の中でははだしで大丈夫と言われたのですが、くつ下をはかせなくて良いのでしょうか?

A9
 
赤ちゃんは変温動物に近く、環境の温度に影響を受けやすいので、極端なことはしないで下さい。
埼玉でも秩父地方などでは、真冬に低体温を起こし、救急病院に運ばれる赤ちゃんが現代でもいます。
皮膚を刺激すると自律神経が発達し、環境に適応能力が強い体を作ります。
各家庭で部屋の温度は異なりますので、大丈夫かどうか、はっきり答えられませんが、室温に気を使えば、はだしは悪くないと思います。

2009/1/16
子供の病気Q&A

北子育て世代包括支援センター赤ちゃん学級