赤ちゃん学級Q&A(和光市保健センター)
その18 平成22年4月14日編
Q1 任意で受ける予防接種はどのようなものがありますか?
受ける時期は?やっぱり受けた方がいいですか?
ヒブワクチンなど、市からの助成がない予防接種も受けた方が良いですか?
どのようなものがあるかも教えて下さい。
A1
任意で受ける予防接種は
水痘ワクチン(みずぼうそうワクチン) ⇒予防接種みずぼうそうワクチンにリンク
ムンプスワクチン(おたふくかぜワクチン) ⇒予防接種おたふくかぜワクチンにリンク
インフルエンザワクチン ⇒予防接種インフルエンザワクチンにリンク
小児用肺炎球菌ワクチン(プレベナー)
インフルエンザ菌ワクチン(ヒブワクチン)
などがあります。
どのワクチンも接種した方がいいに決まっています。
しかしながら、自費ですし、何回も受ける必要があるものもあります。
ご家族でよく相談して決めてください。
任意で受ける予防接種の値段について
自費診療ですので各病院で値段が異なります。
ワクチンの原価は種類によって異なりますが、一般的には皆さんが考えているより高価なものが多いようです。
(参考:3,000円くらいのものから10,000円を超える物まであります。)
原価に診察料金や注射の技術料、注射器等の物品の料金、消費税などが加わります。
(参考:乳児の初診料は自費に換算すると5,600円です。)
ここに各病院の考えが加わって値段が決まります。
(値段に一番差が出る部分と思われます。)
したがって、中には10,000円を超えてしまうワクチンもあるわけです。
定期接種のワクチンは一見ただのようですが、市が料金をすべて負担してくれているのです。
ワクチンの値段は安いのが喜ばれるようですが、医療の安全性や安心を安売りすることはむずかしいと思います。
Q2 小児用肺炎球菌ワクチン プレベナーについて
A2
肺炎球菌は多くの子供の鼻やのどにいる身近なばい菌です。
子供の体力や抵抗力が落ちたときにいろいろな病気、感染症を引き起こします。
主に肺炎・中耳炎を起こすばい菌の代表ですが、時に細菌性髄膜炎や菌血症
(血液中に菌が入ってしまう病気)などの重症感染症を起こします。
肺炎球菌による細菌性髄膜炎の患者数は、日本では年間約200人程度とされています。
その三分の一で死亡や重い後遺症(発達障害、聴力障害など)を残します。
プレベナーは肺炎球菌の予防ワクチンで、日本では2010年3月に販売が開始されました。
標準的な接種方法は
生後2ヶ月から6ヶ月までに、初回免疫として3回(4週から8週間隔で)、約1年後に1回追加接種します。
接種が遅れた場合は
7ヶ月以上1歳未満なら初回免疫2回、追加接種1回、
1歳から2歳未満の場合は初回免疫1回、追加接種1回、
2歳から9歳未満の場合は1回接種でよいとされています。
肺炎球菌による髄膜炎にかかりやすい年令は1歳未満のため、早期の接種が重要です。
三種混合やヒブワクチンとの同時接種は可能とされ、欧米では一般的です。
アメリカでは2000年に定期接種が始まり、肺炎球菌による重症感染が98%減少しました。
他のワクチンと同様に接種後のアレルギー反応を注意するのは基本です。
副反応は接種部位の発赤、腫脹、しこりや発熱、眠気などありますが、一時的で、
重い反応はごくまれです。
肺炎球菌による感染症はポピュラーで、軽症で終わるケースが多いのですが、
抗生剤がききにくい菌が増えています。
髄膜炎になる頻度は高いわけではありませんが、髄膜炎は重症な病気です。
接種したほうが良いに決まっています。
しかし現実には問題があり、ワクチンの値段が高いのに自費だということです。
3回から4回接種する必要があるため、全部で3~4万円くらいかかるようです。
他のワクチンのように、自治体の援助があると助かりますが、すぐに実現するかはわかりません。
Q3 インフルエンザ菌ワクチン ヒブワクチンについて
A3
ヒブワクチンは髄膜炎を起こすインフルエンザ菌b型(Hib)の予防ワクチンで、
日本では2008年末に販売開始されました。
インフルエンザ菌による細菌性髄膜炎の患者数は、日本では年間約500人程度とされています。
数%が死亡し、約20%に発達障害、聴力障害、てんかんなどの重い後遺症を残します。
標準的な接種方法は
生後2ヶ月から6ヶ月までに、初回免疫として3回(4週から8週間隔で)、約1年後に1回追加接種します。
接種が遅れた場合は
7ヶ月以上1歳未満なら初回免疫2回、追加接種1回で、
1歳から5歳未満の場合は1回接種でよいとされています。
インフルエンザ菌による髄膜炎にかかりやすい年令は1歳未満のため、早期の接種が重要です。
三種混合や肺炎球菌ワクチンとの同時接種は可能とされ、欧米では一般的ですが、
健康被害が発生した場合原因の特定が困難になります。
他のワクチンと同様に接種後のアレルギー反応を注意するのは基本です。
副反応のほとんどは接種部位の発赤、腫脹、硬結などの軽いものにとどまります。
インフルエンザ菌による感染症はポピュラーで、軽症で終わるケースが多いのですが、
抗生剤がききにくい菌が増えています。
髄膜炎になる頻度は高いわけではありませんが、髄膜炎は重症な病気です。
接種したほうが良いに決まっています。
しかし現実にはまだ大きな問題があります。
現在のところワクチンの供給量が極端に少ないことと、ワクチンの値段が高いのに自費だということです。
3回から4回接種する必要があるため、全部で3万円くらいかかるようです。
また、1回ですむワクチンではありませんので、確実に打つ約束をする必要があります。
他のワクチンのように、自治体の援助があると助かりますが、すぐに実現するかはわかりません。
現在、対応の仕方は各医療機関でバラバラですので、希望の方は問い合わせてみてください。
予約を取っているところでは、数ヶ月待ちの状況だそうです。
Q4 ポリオの予防接種をうけるのだが、母も抗体が低く(S51生まれ)別の日にうけようと思う。
その場合母子どちらが先にうけるのがよいのか?
A4
ポリオワクチンは経口接種後1ヶ月ほどで免疫が獲得されます。
この時に腸管の中でポリオウイルスが増殖し、数週間にわたり便から排出されます。
排出されるウイルスは大量で、ポリオの免疫がないまわりの人にうつる可能性があります。
子どもさんどうしのうつしあいを避けるために、集団接種しています。
ポリオウィルスの免疫が低い保護者の世代があり、子どもから2次感染を起こすことがまれにあります。
オムツをかえるときなどに、まめに手を洗って防ぎます。
以上のことから、ほぼ同時の接種がのぞましと思いますが、しいて言うなら母親が先でしょうか。
Q5 はしかや風しんは一度かかると二度とかからないのか?
母親に風しんの抗体がでていれば、子どもが風しんになっても感染はしないか?
(お答えの時に私がカン違いしていたかもしれません。)
A5
はしかや風しんは一度かかると二度とはかかりません。
もちろん、確実な診断が前提ですが。
風しんの抗体を持っている人は、基本的には風しんにかかりません。
子どもが風しんのワクチンを接種した時に、他の人にうつす事はありません。
赤ちゃんはお母さんのお腹にいる時に胎盤を通して免疫物質をもらいます。
生後6ヶ月くらいまではこの免疫物質が残っているため、風しんを含め多くのかぜから守ってくれます。
免疫が切れてくると予防接種が必要になります。
Q6 妊娠時、はしかの抗体がないといわれました。
子どもと一緒にうけた方がいいですか?
また、うけなかったとして、かかったら、はしかはうつりますか?
A6
妊娠の初期に健診で風しんの抗体があるか調べることは多いと思います。
風しんは三日ばしかと呼ばれることはありますが、はしか(麻疹)とは異なります。
どちらなのか確認はしておいてください。
風しんもはしかも、大人になってからかかると重症になります。
また、次の妊娠のことを考えると、風しんの抗体がないのは心配なことです。(先天性風しん症候群)
はしかはとても感染力の強い病気です。
いずれののワクチンも、できれば接種しておきたいものです。
Q7 今、ミルク、母乳以外のみません。
むぎちゃやさゆをのまないのですが、熱が出た時に母乳が出なくなったらミルクを水分補給でのませても大丈夫ですか?
A7
嘔吐下痢症や発熱時の水分補給として、赤ちゃん向けのイオン水(OS-1、アクアライトORS)は吸収が良くお勧めです。
しかし、嫌いなお子さんも少なからずいるようです。
この場合は柔軟に考え、飲めるものを飲んで脱水を起こさないようにすればいいのです。
Q8 ひきつけをおこしてしまったら、その間はだっこしたり動かしたりしない方がいいのか?
A8
安静と観察が重要なため、衣服をゆるめ安全な場所に寝かせます。
吐いている場合は、誤飲による窒息を避けるため、あおむけではなく、顔と体を横に向け、口からの空気の通り道を確保します。
あやしたり抱っこして止まるものではありませんので。
Q9 さかさまつげのようですが、最近、ねている時もよく目をこすります。
もう少し大きくなればなおったりするのでしょうか。
眼科でみてもらった方がいいでしょうか。
A9
さかさまつげとは、まつげが眼球に向かって内側にはえている状態をさします。
赤ちゃんはまつげが外に向かってはえていても、下まぶたのお肉がふっくらしているためか、毛が眼球にくっついていることがあります。
成長とともに目元がすっきりしてくると、改善してくることが多いようです。
しかし、目が充血したり、目やにが出たり、こすることが多い場合、角膜を傷つけぬよう眼科医に相談します。り、店頭販売品や外食は対象外のため注意が必要となります。
Q10 夜、ねる頃に鼻がぐずぐずしています。
夜中、自分のいびき又は鼻づまりで時々おきることがあります。
昼間は鼻づまりがないことの方が多いのですが、アレルギー性なのでしょうか?かぜなのでしょうか?
A10
お鼻は粘膜を保護したり、ばい菌を流すために出てきます。
もともと必要で出てくるものですし、かぜやアレルギーでなくても出ることがあります。
赤ちゃんのお鼻の粘膜は敏感で、気温差があると粘膜の保護のためジュワとすることがあります。
鼻づまりは加湿をかけると改善することがあります。
元気なら、お風呂に入ると鼻が通ってきます。
赤ちゃんの鼻の奥は通り道が狭く、扁桃腺のようなアデノイドという組織が発達しています。
また、粘膜が敏感で、かぜなどで腫れたり、分泌物=鼻水が出やすいとされいます。
そのため、鼻の音が出やすいようですが、かぜなどで一時的であれば心配ありません。
首の位置を変えたり、枕を調節してみてください。
呼吸を何度も止める、呼吸を止める時間が長い場合は、大人の睡眠時無呼吸症候群と同様に考えます。
長期にわたると、心臓への負担が強くなります。
鼻の奥を観察してもらい、診断をつけるのは、耳鼻科さんが専門です。
アレルギー性鼻炎は、近年、どんどん低年齢化していす。
数年前までは、小学校以上での発症とされていましたが、幼稚園、さらにには1歳児でも発症する場合があるらしいとされています。
くしゃみ、鼻水(水っぽくさらさらしている)、鼻づまりを症状とします。
鼻かぜや、生理的な鼻水と混乱している人もよくいるようです。
診断は、耳鼻科にて鼻の奥の粘膜を観察するだけでも、可能とされています。
治療をするかは症状の程度により、支障がある場合に積極的に行いますが、程度が軽いと必ずしも治療というわけではありません。
Q11 現在離乳食を始めて1ヶ月経ちましたが、2回食にするタイミングがわからず。
A11
5ヶ月から7ヶ月は離乳の準備時期で、離乳食は栄養の中心ではありません。
母乳やミルクを飲んでいれば、栄養は心配ありません。
赤ちゃんのおなかは、1才にむけ発達して行きます。
個人差があるので、早い離乳がえらいわけではなく、無理をさせている場合もあります。
あせらずゆっくりと進めます。
Q12 いつ頃まで哺乳ビンや赤ちゃん用の食器を消毒すれば良いのか。
A12
半年を過ぎると、細菌に対する抵抗力も強くなり、普通に食器用洗剤でも問題なくなってきます。
ただ、ニップルの先の部分は、内側が十分に洗えないと、細菌が残りやすい部分なので注意します。
消毒すれば確実ですが・・・。
Q13 まだかかりつけ医がない。早いうちに決めた方がよいか。
A13
予防接種を受けている医療機関の先生が、そのままかかりつけ医となっていることが多いようです。
内科の先生でも小児を診療していることが多く、必ずしも小児科の専門医をかかりつけとするわけではありません。
Q14 離乳食を始めてから、1日の便の回数が増えて8回になってしまいました。
それは大丈夫ですか?
その為、おしりかぶれになって赤くなってしまうのですが、何かクリームをぬった方が良いのか?
あくまで乾燥でいいのか?
A14
食欲があり、元気でしたら、あまり心配はなさそうです。
赤ちゃんは食事の内容が変わると、ウンチの様子が変わることがよくあります。
離乳食やアレルギーの影響で便の回数が多くなったり、下痢になることがあります。
いつもと比べ、1日の便の回数が倍以上に増えたり、いつもよりゆるく水様になったときに下痢と考えます。
赤ちゃんは、ひとたび下痢が始まると長びくことがしばしばです。
下痢のお腹は薬で治すものではなく、自力で回復するのを時間待ちするものです。
下痢のほかに症状が無く、水分が取れ、元気な場合、あまり心配はありません。
病的な場合には、食欲が落ちたり、不機嫌だったり、元気が無かったり、発熱、嘔吐など、何か他のサインを伴います。
元気なら心配せず時間待ちですが、長びく場合には、診断や指導のためにかかりつけ医を受診しておくほうがおすすめです。
下痢便は肌に強く、ウンチの回数が多いと、すぐにおむつかぶれができてしまいます。
清潔と乾燥で回復を待ちますが、しばしば長びくことがあり、適切な軟膏はあります。
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