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赤ちゃん学級Q&A

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赤ちゃん学級Q&A(和光市保健センター)

その19 平成22年12月8日編

Q1 水ぼうそう、おたふくのワクチンは、接種の後、免疫がつくのはどのくらいの期間が必要ですか?

A1
 
これらのワクチンは、水ぼうそうやおたふくかぜに軽くかかった状態になって免疫がついてゆきます。
そのため、水ぼうそうやおたふくかぜの症状が2~3週間後に軽く現れることがあります。
免疫が付くのはこのすぐ後になります。

Q2 満11ヶ月から保育園に入る予定だが、どのような予防接種を受けておけばよいか?(水ぼうそうとか?)

A2
 
ぼうそう、おたふく、インフルエンザは集団生活では必ずと言っていいほどかかってしまう病気です。
おたふくやインフルエンザは重症化することの多い疾患ですし、完治するまで登園ができなくなります。
いずれも自費のワクチンですが、接種する方がおすすめです。
インフルエンザ菌や肺炎球菌は、乳幼児で髄膜炎を起こすことがありますから、ヒブワクチンや肺炎球菌ワクチンも接種がおすすめです。
 
水ぼうそうワクチン⇒予防接種みずぼうそうワクチンにリンク
おたふくワクチン⇒予防接種おたふくかぜワクチンにリンク
インフルエンザワクチン⇒予防接種インフルエンザワクチンにリンク
ヒブワクチン⇒赤ちゃん学級その18ヒブワクチン
肺炎球菌ワクチン⇒赤ちゃん学級その18肺炎球菌ワクチン

Q3 はしかの場合は「重症化」はどういう症状か?

A3
 
長びく発熱、強い咳、鼻、目やに、発疹が基本ですが、重症感が強く、医療の進んだ日本でも死亡するケースが毎年数十人に上ります。
しばしば、肺炎や脳炎(意識障害、繰り返す嘔吐、けいれん)をおこし、重症化します。
はしかは治す薬がないため、ワクチンによる予防が大切です。
ワクチンを受けられない発展途上国では、はしかによる乳児の死亡は、毎年何十万人にもなります。

Q4  鼻水だけの症状の場合、診断を受けるべきでしょうか?
鼻水がたまに出るが、病院に行く必要はないか?
どのような症状に変わったら病院に行くべきか?

A4
 
鼻水は粘膜を保護したり、ばい菌を流すために出てきます。
もともと必要で出てくるものですし、かぜでなくても出ることがあります。
赤ちゃんのお鼻の粘膜は敏感で、気温差があると粘膜の保護のためジュワとすることがあります。
止めてしまうより、出てくるものをうまく取ってあげるほうが大切です。
元気がよくて、透明な鼻水だけが出ている場合は、必ずしも受診の必要はありません。
 
鼻水のため不機嫌であったり、眠れない場合は、かかりつけ医に相談してみてください。
また、中耳炎を起こしやすいお子さんは、早めの受診をおすすめします。
ドロドロした黄色や、緑色の汚い鼻水が出ているときも、鼻をかんで汚いものを出すことが基本です。
しかし、汚い鼻水は細菌が繁殖しているので、うまくかめずに長びくようでしたら、受診を考えます。

Q5 せきがよく出ますが、お医者さんには心音もきれいで問題ないといわれます。何か考えられる原因はありますか?鼻水などは出ません。
例えば咳をしているが、熱もなく、食欲や機嫌もかわりない場合、病院に行くかどうか迷うのですが・・・。

A5
 
病気の咳の代表は、かぜ、気管支炎、肺炎などの感染症です。
感染症であれば、咳は1日中出て、だんだん悪化するはずです。
他のかぜ症状、発熱、鼻水、調子の悪さをともなうでしょう。
治療あるいは自然の経過で、1~2週間で改善し、治癒していきます。
長びく咳、繰り返す咳、昼は出ないのに夜や朝だけでる咳は、喘息予備軍の場合があります。
よだれにむせる事もあります。
 
程度が軽ければ様子をみますが、強い場合、長びく場合は、受診を考えます。
診断をつけておくことが大切です。

Q6 熱が35℃台の場合、大丈夫でしょうか?低すぎませんか?

A6
 
熱が35℃台の場合、さわるとかなり冷たく感じるはずです。
冷たく感じなければ、はかり方の問題かもしれません。(脇の下が汗ばんでいると上がりにくくなります)
赤ちゃんは変温動物に近いので、真冬の早朝など寒い環境で、低体温になってしまいます。
体温が低く、元気がないと、重い病気になります。

Q7 鼻のそうじを嫌がります。無理にしなくても大丈夫ですか?

A7
 
綿棒などで見える範囲をそうじします。
奥に詰まっている場合は、本人がくしゃみして出すでしょう。
あまりしつこくしたり、徹底的にきれいにしようとすると、嫌がられますし、傷つくこともありますので、ほどほどに。

Q8 発疹で救急車をよぶ必要があるときはあるか?

A8
 
水ぼうそうやはしかなど、かぜに伴う発疹で救急のものはありません。
あるとすれば、重症なじんましんの場合くらいでしょう。
全身のじんましんに呼吸障害を伴ったり、ぐったりしている(ショック状態)場合は、重症で救急扱いになります。
それ以外の軽症なじんましんは、救急にはなりません。

Q9  アレルギーについて知りたいです。(食品、薬、アトピーなど。特に食品)
どのような症状があるのでしょうか?気を付けることや対処法を知りたいです。
離乳食を始めたので、特に食品のアレルギーが気になります。
赤ちゃんの間はアレルギーは出ないということを聞いたことがありますが、本当ですか?
どのくらいの月齢からアレルギーの出る子は出はじめることが多いのでしょうか。
口のまわり、あご、首などに赤いプツプツが出ることがあるので気になります。

A9
 
市報に掲載された私たちの健康に、食物アレルギーについて執筆しましたので、これを参考にして下さい。
 
食物アレルギーとアナフィラキシー(私たちの健康より)
 
 食事が原因で、じんましんなどのアレルギー症状の出るお子さんが、近年増加しており、報告では、乳児の約10%、3歳児の約5%、小学生以降の約1.3~2.6%とされています。
皮膚粘膜症状(じんましん、かゆみ、まぶたの腫れ、唇の腫れ、のどの違和感)、呼吸器症状(咳、喘息、呼吸困難)、消化器症状(腹痛、吐き気、嘔吐、下痢、血便)などで、複数の箇所にアレルギー症状が現れる場合をアナフィラキシーと呼びます。
血圧が低下して、ショック症状を起こし(循環器症状)、生命を脅かす危険な状態となることなることもあり、アナフィラキシーショックと呼ばれ、近年注目されています。
 
1)食物アレルギーの分類と症状
①新生児期に、粉ミルクにより嘔吐、下痢、血便を認める、消化器症状タイプ。
②乳児期に、卵、牛乳、小麦などで、痒みの強い湿疹を繰り返すアトピー性皮膚炎タイプ。
③食後2時間以内に、じんましんやアナフィラキシーを起こす即時型症状タイプ。(乳幼児乳幼児期の卵、牛乳、小麦、小学生以降のエビ、カニ、魚類、小麦、果物、そば、ピーナッツ)
④小麦やエビなどを食べた後、運動すると起きる、食物依存性運動誘発アナフィラキシー。
⑤果物や野菜を食べた直後、口腔粘膜に接触じんましんを起こす、口腔アレルギー症候群。
 
2)食物アレルギーの診断と治療
 問診が重要で、原因となる食品の見当をつけ、血液検査や皮膚テストで確かめます。
治療の原則は、正しい診断に基づいて原因となる食物を必要最小限で除去することです。
除去の程度や代わりの食品など、栄養指導を受けることも重要です。
アレルギーの予防薬も使いますが、薬はあくまでも補助療法です。
少しずつ食べながら治す治療法として経口減感作療法が注目されていますが、危険を伴いますので、専門医の指導のもとに行ないます。
乳幼児期の、卵、牛乳、小麦アレルギーは、食べられるようになることが多く、学童、成人のえび、かに、小麦、果物、そば、ピーナッツアレルギーは治りにくいとされています。
 
3)アナフィラキシーとその対応
 近年の日本の調査では、増加は著しく、小中高生の0.14%、約1万8千人がアナフィラキシーを起こし、約20%は学校で起きており、注意が必要となっています。
食物アナフィラキシーは、多くの場合、食後30分から40分以内に発症します。
重症度はいろいろですが、じんましんに息苦しさや喘息などを伴う場合は、ショックに進む可能性が高く、危険なサインとされ、緊急の治療を必要とします。

 ペン型のアドレナリン自己注射薬(エピペン)の早期の使用により事故が避けられます。
専門医が指導と処方を行い、家族や学校の理解が不可欠です。
原因となる食品を誤って食べてしまわないための栄養指導も重要ですし、また近年では、発生頻度が高い食物、重い症状を起こす食物に対して、原材料の表示がされるようになっています。(義務:卵、牛乳、小麦、えび、かに、そば、落花生)ただし、加工食品が対象であり、店頭販売品や外食は対象外のため注意が必要となります。

Q10 オムツ(便)を持参した方がよいのはどんな症状の時ですか?

A10
 
白い便⇒ロタウイルスによるおなかのかぜでは、白っぽい下痢便になります。
黒い便⇒上部の消化管で出血している場合。
赤い便⇒強い腹痛とイチゴゼリー状の便は、腸重積が疑われ、救急受診が必要です。
下痢が続くと、肛門付近がただれて出血し、便にすじ状、点状の出血がみられることがしばしばあります。
食欲があり機嫌がよい場合は、緊急性はありません。

Q11 母乳のため相変わらず便がゆるいので下痢との区別が難しい。

A11
 
便の回数がいつもの倍、いつもよりさらに水っぽいなどの場合は、下痢と考えます。
便がいつもと違ってすっぱいにおいがする、機嫌が悪い、食欲がない、嘔吐を伴う場合は病気と考えます。

Q12 離乳食を始めて便ぴになってしまい、自力でうんちが出せないので、3日に1回浣腸(市販の坐薬)をしています。
定期的に浣腸を使って良いのか、また、どうすれば便秘が治るか教えてほしい。(お腹のマッサージ、足の運動、マルツエキスは実施済み)

A12
 
母乳のお子さんは便がゆるく、離乳食が進むと、水分をとる量も少なくなり、便の状態が変わってきます。
水分として柑橘系の果汁などを取ることもよいでしょう。
マルツエキスの他にも便を柔らかくするお薬はあります。
下剤を処方する場合もあります。
かかりつけ医に相談して指導してもらうとよいでしょう。
しばしば硬い便がつまって出てこないような場合には、浣腸を毎日続ける治療法もあります。
このように手ごわい場合は、小児外科が専門になるので紹介してもらうとよいでしょう。

Q13 7ヶ月健診はうけたほうがいいですか。

A13
 
母子手帳を見ると、7ヶ月、1才健診のページがあります。
母子手帳には、乳幼児の発育発達を見るうえでポイントとなる月齢や年令が示されています。
和光市の乳児健診は、4ヶ月、10ヶ月、1才半、2才、3才に行なわれます。
それぞれの市で、予算や人手も考慮して、行なう月齢や回数を決めているからです。
 
7ヶ月健診をうけるのは、丁寧なことだと思いますが、自費になります。
体重が2500gより小さく生まれたお子さん、双子のお子さん、生まれたときに重い病気にかかったお子さんなど。
生まれたときに問題があったお子さんは、健診をこまめに受け、発達発育を丁寧に見ることがおすすめです。

Q14 男の子の性器のケアはどの程度必要ですか?

A14
 
赤ちゃんはおチンチンの皮がかぶったままが普通です。
この時期、この状態では、必ずしも包茎とは呼ばないそうです。
日本人の多くは一般にむけるのが遅めで、高校生や大学生でむけることが多いようです。
皮をおチンチンの根元のほうへ引っぱって、おチンチンの頭が見える子はやがてむけます。
 
出る部分まででよいですから、入浴時にシャワーなどで洗って、清潔にしてあげてください。
頭が出てこない場合でも、入浴時など広げる努力を続けていると、時間はかかりますがやがてむけてくることも多いようです。
皮とおチンチンは、赤ちゃんの時期には癒着しています。
無理にむくと、とても痛いので、注意してください。
おチンチンの頭にステロイド軟こうを塗って皮を引っぱり、数週間でむいてゆく方法もありますが、まだ十分普及していないようです。

Q15  先日、イスから落ちて頭を打ちました。
昼間なので病院にかかることができましたが、夜間の場合、どのような症状なら様子を見、どのような症状なら、病院にかかった方がよろしいでしょうか。

A15
 
頭を打ってすぐに気を失う、顔色が悪くなる、ぐったりするのは危険なサインで、救急になります。
2日~3日かけて、頭の中でジワジワ出血をおこすタイプもあります。
よく吐くようになる、うとうとして意識の様子がおかしい、ぐったりするなどの症状は、関連を考えます。
CTなどの検査ができて、救急対応ができる2次病院を、必ず受診します。
フローリングやたたみの上に倒れた程度では大丈夫なことが多いでしょう。
道路や硬い床面に勢いよくぶつかる、自転車に乗っていて転倒するなどは要注意です。
 
打ち方、打ちどころに左右されます。
3階から転落しても無事な赤ちゃんがいるかと思えば、診察台から落ちても頭の骨を骨折しているケースもあります。
まったく打ち所に左右されます。
打つ回数。
多ければ多いほどトラブルが起きるリスクが上がりますから、少ないほうが良いに決まっています。
打ち方。
硬いところに落ちる、角のあるものにぶつかる、勢い良く打つなどは危険なパターンです。
特に歩き始めの時期は、赤ちゃんの目線で家の中を見直し、危険な打ち方を避けていくことを意識します。
ひっくり返って転んで頭を打っても、危険性の少ない柔らかい床材。
家具の角を保護する等、ぶつかっても危険の少ない環境。
また、家の外では想定外の危険が多いことを意識して、目をはなさない。
赤ちゃんは高いところに寝かせば、必ず転がって落ちるのです。
とがった角があれば、必ずぶつかりに行きます。
意識をするか否かでだいぶ事故は防げます。

Q16  今年は花粉が多いようですが、母乳の場合、薬は飲めませんよね?
何か対策はありますでしょうか?

A16
 
花粉症の程度の強い人の場合は、どうしても飲み薬(アレルギーの予防薬)が必要になります。
風邪薬や抗生剤などで母乳が問題となることは少ないのですが、花粉症の薬は数ヶ月の長期に渡り服薬を続ける必要があり、注意が必要です。
 
しかしながら、花粉症の治療は、内服薬だけではありません。
まず、マスクやゴーグルで花粉を浴びないようにすること。
点鼻薬は使い方によってかなり有効な治療となります。
耳鼻科の先生とよく相談してみてください。

2011/12/8
子供の病気Q&A

北子育て世代包括支援センター赤ちゃん学級